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高校生教室ニュース

大学入学共通テスト(現センター試験) 国語【プレテスト分析】

2018.04.25

オンライン個別指導!

昨年実施された大学入学共通テストのプレテストの分析です。

1の記述式、2~5のマーク式にわけ、それぞれに考察・講評を行っていきます。

 

第1問 生徒会部活動規約、会話文

資料①:部活動に関する生徒会への主な要望

資料②:市内5校の部活動の終了時間

資料③:学校新聞

問1、問2 会話文をヒントに解答に必要な資料を選択しまとめていく必要があります。

従来の一般的な記述問題では傍線部の周辺をまとめるという出題が主流でしたが、本テストでは傍線部周辺から必要となる資料を推察し、さらに資料において必要な情報をまとめなければなりません。

⒜傍線部周辺の読解、⒝資料の選択、⒞資料のまとめ、という三つのプロセスのどれか一つでも抜けたら得点が厳しい構成となっております。

⒜では従来の学習でやっているような、抽象⇔具体の言い換えを使い傍線部周辺を理解するといった手法が使えるでしょう。⒝ではそれぞれの資料が何について書かれているものなのか前もって検討したうえで、⒜と照らし合わせて選択する必要があります。⒞ではさらに資料の中で必要な部分を絞り込み、まとめなければなりません。

以上の考察より、「まとめる力」が備わっていることが前提となります。

問3 AO入試における小論文などでよく使われるmay(一般論)-but(主張)型の構成です。学校などで小論文添削などを受けたことのある生徒は取り組みやすいかもしれませんが、本テストでは一般論と主張とを与えられた資料の中でまとめていかねばなりません。またそれらが論理的に整合性を持っているかも重要であり、単にそれらしい部分をつなぎあわせても得点にはなりません。

読み取る能力はもとより、まとめる力や論理的構成力が問われる問題となっています。

 

〈解答作成を行った当塾講師の講評〉

情報を読み取ってまとめる問題である。従来のセンター英語の問5の図表読み取り問題に似ているが、単なる抜き出しでは微妙に字数が足りない。よって、設問の要求を満たす情報だけを抜き出し、意味・論理関係を損なわない範囲での書き換えが必要である。

 

第2問 現代文(論説)、表2つ、図3つ

問1 言葉を説明させる問題です。従来のセンター試験の2(小説)においても語句の説明を要求する問題はありましたが、専ら辞書的意味を指摘するものであったのに対し、本文の読解から得られた情報をもとに本文に即した意味を推察するものでした。

問2~4 図中の用語や本文の用語を説明させる問題です。特徴的なのは傍線が引かれていない点です。問2ではパッケージ型・参道型路地の説明が要求されておりますが、文章中に路地とつく語句が多く、しっかり整理しながら読まなければ正答は困難でしょう。日頃からキーワードを見抜き、文章のどこに何が書いてあるかを整理しながら読む訓練が欠かせません。問3はかなりの難問です。正答率も19.4%となっています。問題自体は「江東区はどのように整備された例か」というものですが、正答するには筆者の主張を的確に把握していなければなりません。というのも、筆者が例として提示するからにはそこには筆者の言いたいことが隠れているからです。本文のテーマは何なのか、またそのテーマに関して筆者は肯定的なのか否定的なのか、読んでいる中でそのような視点を持つことが重要です。例えばこの設問の手がかりとなる本文9段落には7行目に「~問題である。」という記述があります。筆者が問題視するということはこの例は否定的なことを言うために挙げられたものだということが分かります。読解のための技能を習得することが第一となります。

問4 一見新傾向に見えますが、本文におけるキーワードの説明となっており、本文全体の趣旨を踏まえて考える点は英語における題名付けに類が見られます。

問5 新傾向の問題です。本文を読解した上で成り立ちうる意見を選ばせる問題です。本文の正確な読解と、論理的に思考して妥当しうる選択肢を選ぶ必要があります。

 

〈解答作成を行った当塾講師の講評〉

・傍線がないため、設問が要求する読解部分自体を見つける必要があり、従来のセンター試験より難易度は高い。

・内容を正確に読み解く(根拠を明確に特定する)よりも、ある部分が全体でどういった役割を持つか(=文全体の構造の把握)が大事である。

 

第3問 現代文(小説)

問1 従来のセンター試験では評論で出題されていた漢字が小説に移行し、言葉の意味を答えさせる問題が削除されています。

漢字自体は従来の5題→3題と出題が減っています。

問2 本文の記述について、その根拠を問う問題です。従来のセンター試験の小説では見られなかったものですが、評論の読解と同じく根拠を本文から探すものととらえて構わないでしょう。

問3 心情説明問題です。変わった点は今まで5択だったものが3択になった点と、完答正解である点です。一人の心情を追いかけるのではなく、登場人物それぞれの心情変化や文の展開を構造的に把握しながら読解しなければ完答は困難です。

問4 二つの文の関わりを問う新傾向の問題です。それぞれの文章の正確な読解を行い、構造を把握したうえで対応する箇所を特定しなければなりません。

問5 本文の表現を問う問題です。従来のような表現技法などを問うているのではなく、文章全体の構造や展開からその文の役割を導く必要があります。従来の小説問題が細部の表現をヒントに解答していくものであったのに対して、本テストではマクロな視点で文全体をとらえる評論読解的な対応が必要であると言えます。

 

〈解答作成を行った当塾講師の講評〉

・表現技法そのものはほぼ問われなくなった。

・設問自体の難易度は低めである。

・従来の小説問題より明確な根拠が求められるので、評論の練習の強度が問われる。

 

第4問 古文(源氏物語本文Ⅰ、Ⅱ、逸話)

同じ場面を描写した本文が2つ、加えてⅡの執筆に関する逸話を題材とした出題です。

問1 省略を補う問題です。出題としてはオーソドックスですが、単に「…

ましかば~まし」を選ばせる従来の出題ではなく、文脈に応じた形容詞を選ぶ必要があります。まずは持っている古文単語帳を一冊完璧にすることを目指しましょう。

問2 和歌の解釈をし、正しくないものを選ぶ問題です。和歌の修辞に関して正しい知識を持っていること、助詞の意味を知っていることが正答の前提になります。

問3 発言を解釈する問題です。反語であることを見抜く事で容易に解答できるでしょう。

問4 従来の古文の出題に近い解釈問題です。敬語をしっかり習得していれば難解ではないでしょう。

問5 一見すると新傾向の問題のように思えますが、傍線部と周辺を丁寧に現代語訳すれば不適切な選択肢は容易に選べるでしょう。

問6 他の2つの文の内容を踏まえて文章Ⅲの要旨を答える問です。文全体の把握には細かい部分の読解が必要不可欠なので、丁寧に現代語訳していくことが求められます。

 

〈解答を作成した講師の講評〉

・文法・単語を利用した現代語訳で解ける問題はほとんどなく、難易度が大幅に上がっている。

・細かいニュアンスの読み取りまで要求されているので、全訳が作れることが最低条件となろう。(あまりにも難しい。)

 

第5問 漢文 文章Ⅰ(漢文)、文章Ⅱ(記事)

問1 漢字の読みを問う問題です。

漢文の問題集などに一通り記載されているものを覚えれば十分対策出来るでしょう。

問2 漢字の意味を問う問題です。対策は同上。

問3 返り点を打つ問題です。従来のセンター試験でも見られた出題です。句形と訳を習得していきましょう。

問4 傍線部の解釈問題です。従来のセンター試験と相違ないものです。

問5 漢詩の特徴を説明させる問題です。

①該当する選択肢をすべて答えさせる

②本文でなく、漢詩の背景的知識を解答に要する

この2点が新傾向であるとともに本問をこのテスト屈指の難易度にしています(正答率14.3%!!)。

①の対策は、本文の丁寧な読解や文章相互の関わりを論理的にとらえることで可能でしょう。②は試験的に出題されたのであって、2020年度からの共通テストでは出題されないのではないか、というのが個人的な意見です(現行のセンター試験では学習指導要領外の出題はないため)。

問6 漢文とそれについて書かれた記事を比較し、記事中の誤った部分を指摘する問です。対象のコラムが短いことから漢文の読解が丁寧に行えていれば容易に解答できるでしょう。

問7 漢詩の読解を丁寧に行えば解答は容易ですが、今後は本文との比較を行わねば解答に到らない出題がされることも考えられます。

 

〈解答を作成した講師の講評〉

・ほぼ従来の形式と変わらないため文法・句形の練習と演習で事足りるだろう。

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