令和3年度日本大大学付属高校基礎学力到達度テストの出題分析と対策
2021.10.04
令和3年度日本大大学付属高校基礎学力到達度テストが終わりました。
今年度の受験生まで2回のテスト(3年4月、9月)での判定であり、9月のテストの重要性が今までより高いものでした。生徒たちも今までの受験生に比べ直前の緊張感が高まっていたように思えます。今の1年生、2年生の皆さんは3回テストの予定であり、次の4月の試験の重要性が高いです。今年度の出題の分析や受験生の直前の学習を紹介しますので、それらを参考に4月までにやらなければいけないことを各自で整理していきましょう。
〇国語の出題分析
大問1 国語常識
昨年と同じく国語常識の小問集合です。ここ数年は問1で漢字の読みの正誤を問うものでしたが、今年度は訓読みの正しいものを聞いております。そのほかは例年通りです。
大問2 現代文(論説)
昨年は問14が内容説明、問15が本文の表現に関するものでしたが、今年度は問14が段落のつながりを問うもので、問15が本文構成に関するものでした。
大問3 現代文(小説)
昨年と異なり問21で空所補充が出題されました。
大問4 古文
問28の空欄補充のみ、昨年にはない出題でした。
大問5 漢文
出題頻度の高い返り点のつけ方・書き下し文の問いがなく、代わりに主語の同定の問題になりました。
【総評】
出題に軽微な変化はあるものの、古文や漢文は読みやすい内容となっており、全体的には易化した印象を受けます。過去問演習と弱点補強をきちんと繰り返しておけば取り組みやすい内容だったといえるでしょう。
【高校生教室の直前の対策】
短期間で得点アップを見込める古文・漢文を中心に練習。
古文・漢文が苦手な生徒は古文ドリル・漢文ドリルを何周もこなし、基礎となる文法事項を習得しました。
文法事項がある程度身についている生徒は出題形式が似ているセンター試験対策教材で長文演習を行いました。
〇数学(文系)の出題分析
大問1 小問集合
昨年の出題と変わり、循環小数は出題がなくn進数となりました。とはいえ、一度出題されると隔年での出題もありうるので、来年度以降の対策は依然必要かと思います。
大問2 二次関数
昨年から変化はありません。最大値・最小値を求める問題が頂点を含むので日頃から図をちゃんと書いている生徒は得点できたでしょう。
大問3 場合の数と確率
⑶が少々考えづらいですが、他は例年並みです。
大問4 円と直線
⑵が今までにない問題で、悩んで時間を使うより公式に当てはめて解ける⑶から手を出すのがよいかもしれません。
大問5 三角関数
⑴で条件を見落とすと符号を誤り、2つとも落としてしまいそうな問題です。難易度は例年並みです。
大問6 指数・対数
難易度は例年通りです。指数や対数の計算法則(四則)や、真数条件・底の条件の確認を丁寧に行えば十分満点を狙える出題です。
大問7 微分・積分
昨年と同様の出題です。
大問8 ベクトル
過去の問題には図が付されていましたが、今年度はありませんでした。
【総評】
何かとびぬけて難解な問題があったわけではないのですが、各所に手が出しにくい小問が見えました。全体的にはやや難化した印象を受けます。公式の適用だけで答えが出るような典型問題をいかに早く仕上げてこれらの問に答えていけるかが重要です。
【高校生教室の直前の対策】
大問1(小問集合)を除き1大問1分野なので苦手な分野を抽出して集中的に復習を行いました。過去問を繰り返し解き、似た出題傾向のもので定着の確認を行うなどしました。
〇英語の出題分析
大問1 リスニング
大問2 文法・会話・整序
大問3 長文(グラフ)
大問4 長文(空所補充)
大問5 長文
【総評】
全体的な難易度・分量ともに昨年とほとんど変化はありません。過去問演習と適切な弱点対策を行うことで十分に得点できるでしょう。
【高校生教室の直前の対策】
直前は文法を中心に対策。それまでにやった過去問の見直しや基本的な文法事項の見直しを行いました。
〇まとめ
全体としては昨年と難易度はそこまで変わっていないように思えます。ただ出題はどうあれ、学校の学習が十分であったかなどは今回の成績に大きく影響していると思います。というのは、各学校の授業進度や社会の情勢にかかわらず試験範囲は一定だからです。例えばある付属高校では4月の試験前に未修であった範囲を講習で補うとしたにもかかわらず、社会の要請に従い講習の未実施・プリント課題での対応となりました。それでも試験範囲は変わりません。
先が読めない情勢ではありますが、来年度の試験にあと一年を切った今、動き出すのは早ければ早いほど効果があります。日本大学の内部進学【基礎学力到達度テスト】でご不明なことがございましたらどんなことでもお尋ねください。