令和5年度 日大基礎学力到達度テスト9月 傾向の分析
2023.10.03
令和5年度の日本大学付属校基礎学力到達度テストが実施されました。
当教室でから受験された生徒のお話と実際に受けた問題をもとに出題傾向や難易度の変化を分析いたしました。
これから基礎学力到達度テストを受験する今の1・2年生の方の参考になればと思います。
今回は英語(共通)、国語(共通)、数学(文系)です。
以下、科目ごとに見ていきましょう
英語
大問1 リスニング
Part(A)は写真を見てリスニングする問題。例年通り。(B)は短い対話を聞いて答える問題。昨年は設問数が5題あったのに対し今年度は3題に減少している。(C)は長い文章を聞いて答える問題。例年通り。
大問2 文法・会話・整序
(A)は文法・語法。(B)は会話文。(C)は整序。すべて例年通り。
大問3 長文(グラフ)
昨年に比べて文字数が若干減少(27行→21行)。題材は新型コロナウイルス感染症に関するもので、比較的新しめ。
大問4 長文(空欄補充)
昨年に比べて文字数が若干増加(合わせて35行→合わせて42行)。
大問5 長文
昨年に比べて文字数がかなり減少(51行→37行)。新型コロナウイルス感染症にも多少触れている。
出題傾向に大きな変化はありません。昨年に比べて読む量が少なくなっています(昨年総113行→今年総100行)。大問3~5の長文がそれぞれ昨年より短くなっていました。加えて、設問数も昨年49題から48題となっています。
基礎学力到達度テストのような時間制限が厳しいテストにおいて、読む分量が減ったことは実質的に易化したものと思われます。また、新型コロナウイルス感染症に関する長文が出るなど、時事トピックの出題があるので、社会的な問題に関する英文に目を通すなどするとよいかもしれません。余談ですが世界史ではロシアのウクライナ侵攻が出題されていました。
国語
大問1 国語常識
例年通り。
大問2 現代文(評論)
出典は藤原辰史『農の原理の史的研究』。昨年に比べ設問が2題増加している。
大問3 現代文(小説)
出典は有島武郎(読めますか?)『生まれいづる悩み』。難易度・分量ともに例年通り。
大問4 古文
出典は菅原孝標女『更級日記』。昨年に比べ知識問題が3→6題と増加。答えやすかったのではないか。
大問5 漢文
出典は『荘子』。昨年度は文章2つを読んで答える、共通テストのような形式であったが、従来通りに戻った。
相対的に難易度は下がったと考えられる。
大きな変更点としては評論文において設問が2問増えていること、漢文が昨年は文章を2つ読むものだったことに対して1文に戻っていること、古文において知識・文法問題が昨年3題に比して6題に増えたことが挙げられます。全体としては昨年より易化した印象を受けます。だからこそこれまで以上に文法や基本的な知識が合否を分けるとも言えます。まずは基礎をしっかり見直しましょう。
文系数学
大問1 小問集合
⑶が2進数で、過去に2回出題がある。計算方法を知らないとまず答えられないので、過去に出題があるものは完璧にできるようにしたい。
令和2年度には循環小数が初めて出題された。
大問2 二次関数
昨年とほぼ同じ。
大問3 場合の数と確率
昨年は⑶の条件がややこしいものだったが、今年は素直な出題である。
大問4 円と方程式
⑶は今までにない出題であるが、接線の方程式を求めて連立するだけであるので易しかったのではないか。
大問5 三角関数
例年通り。
大問6 指数・対数関数
例年通り。
大問7 微分・積分
例年通り。
大問8 ベクトル
例年通り。
大問1⑶の2進数は2年ぶり3回目の出題です。約数に関する出題が約半分ですが、循環小数も令和2年度に出題があるのでおさらいしておきましょう。大問4の⑶は新傾向でした。例年は接線の方程式そのものを求めさせる問題が多いですが、今回は接線の交点を求める問題となっていました。その他の設問はほぼ例年通りで、過去問演習と復習をきちんとこなしていればかなりの高得点が見込めました。昨年の軌跡の出題に比べると素直で解きやすい問題が多かったように見受けられます。
〈総評〉
どの科目でも新しい試みの出題が見られますが、例年出題があるような典型問題に対処する力が付いていれば十分合格点を取ることができるでしょう。とはいえ、過去問を解いて復習すべき点を抽出したり、その後の演習に活かしたりできるには基礎的な学力の定着が必須です。どこから勉強したらいいかわからない、何がわからないのかもわからないという状態で過去問ばかり解き漁っても得られるものは少ないでしょう。まずは基礎的な学力が身についているか確認し、足りない部分は二学期のうちに身に付けることができるように計画を立てていきましょう。
基礎的な学力の身に付け方や学習の計画の立て方、科目の学習の仕方など、わからないことがありましたらつつじヶ丘個別学習会高校生教室にぜひご相談ください。