夏から始める受験勉強(数学編)②
2018.06.19
受験の夏が近づいています。
夏休み期間は基礎構築の最終段階です。ほぼ1か月半あるこの時期の過ごし方で、その後の受験戦略の組み立て方が良くも悪くも変わってきます。この記事が皆さんをゴールへ導くヒントになることでしょう。
この記事は「夏から始める受験勉強(数学編)①」の続きとなります。
今回は数学Ⅲを使わない数学選択に対しての優先順位のつけ方についてです。
②数学Ⅱ・Bまでを利用する場合
数学Ⅱ・Bまでの範囲は文系数学だと最も広い範囲となります。
数学Ⅲにおける微分法・積分法のような集大成にあたる範囲はありませんが、数学内の他の分野との関連性の高い、数学Ⅰ「二次関数」が不得手な場合は真っ先に対策を打つべきでしょう。
また、数学B「数列」「ベクトル」については概念を理解するまでに苦労することが多く、多数の受験生が敬遠しがちな部分です。
①でも述べましたが、苦手なところこそ早めの対策で克服しましょう。
数学Ⅱ・Bまでの範囲で特に難しいのは「確率」と「漸化式」の融合問題です。
二分野の力を同時に試すことができ、問題難易度も高くなることから、難関大学での出題率が高い問題形式です。
これに対応するには、前提条件として単体で「確率」「数列(漸化式は数列の一分野です)」を理解しておく必要があります。特に数学で点数を稼ぎたいと考えている受験生は、この二分野の対策を考慮に入れてもいいでしょう。
また、数学A「整数の性質」も問題を難しくすることが容易な分野の一つです。
この分野の問題は解が一つに定まらない場合や、無数に存在する場合など、通常の方程式とは違うアプローチを求められることがあります。学習不足の状態でこのような問題にぶつかると手も足も出ない、ということもあり得ます。
ただ、基礎の問題が解けるようなら上記のような、入試で合否を分けるような難しい分野に目を向けるのもありだとは思いますが、その基礎がままならぬ内に難しいことに目を向けないように、まずは基礎が一通りできることを重視しましょう。
まとめますと、
〇まずは各分野の基本を押さえる
〇単元別で基本がしっかり解けるなら、実践を見据えた練習に入る
といったイメージで学習計画を組み立てましょう。
しつこいようですが、応用や入試問題の理解にばかり目を奪われないよう、注意!
③数学Ⅱまでを利用する場合
数学Ⅱ・Bまでの場合と基本的なアプローチは近くなりますが、「数列」「ベクトル」に手を付けなくて済むため、重要度の高い分野が変化します。
数学Ⅱまでならば、数学Ⅱの「微分法」「積分法」は頻出範囲になるでしょう。また、数学Bがない分だけ、数学Ⅱの「三角関数」「指数・対数関数」などの関数系列の分野の重要度が相対的に高くなります。
そうすると、そこに関連する範囲である「二次関数」が結局大事、ということになります。
一から始めるのであれば、どこまでやるにしても二次関数の演習が最初の関門になることは間違いないでしょう。
④数学Ⅰ・Aまでを利用する場合
最後に数学Ⅰ・Aまでの場合ですが、範囲が狭くなるため、出ない問題はないと言ってしまってもいいでしょう。数学Ⅲまでのような広い範囲の場合、相対的に出題されにくい範囲なども(細かく見ていくと)あるのですが、数学Ⅰ・Aまでの場合にはそれはないと考えてください。
「二次関数」も当然大切ですし、「方程式・不等式(特に絶対値の扱いに慣れておきましょう)」「三角比(正弦定理・余弦定理は最低限使えるように)」「場合の数・確率」「整数の性質」「図形の性質(苦手な受験生が多いので、意識して練習しておきたい)」「データの分析(分散・共分散・相関係数などの用語と求め方を習得しておきたい)」と、入試の問題量にもよりますが、万遍なく出題できる程度の範囲です。
繰り返しになりますが、範囲が狭いから学習しやすいという側面もありますが、その一方で各々の単元に手は抜けないと考える方が良いでしょう。
◎まとめ
受験勉強を夏から始める。
それは春から、あるいは受験学年に至る前から受験を意識しているライバルたちに、その時点で後れを取っているということを頭の片隅に置いておかねばなりません。しかし、だからと言ってその遅れはどうにも取り戻せないものなのか、というとその限りでもありません。
合格というゴールへ向かってどう進んでいけばいいか分からない、もしくはどこを目指していけばいいのか分からない、ということもあるかもしれません。そんなときは、是非当教室へご連絡ください。目指す目標への道を共に進みましょう。