成蹊大学(経済学部・A方式)過去問題分析 国語編
2018.10.20
成蹊大学経済学部国語入学試験(A方式)の分析です。
大問は3問構成、全問選択問題で、試験時間は60分です。
2018年の入試問題を参照すると、下記のような形式で出題されていました。
大問1:読解問題 (評論文)(8問)
大問2:読解問題 (評論文)(20問)
大問3:読解問題 (随筆文:語彙・知識問題中心) (5問)
評論文2題、随筆文1題の形がここ2年続いています。
◎問題構成の内容
〇大問1 (8問)
出典:オクタビオ・パス『弓と竪琴』(訳:牛島信明)
本文の空欄に当てはまる言葉を選ぶ問題、本文中の用語・傍線部の内容に関する問題、本文の内容一致問題など、選択問題としては標準的な形式の問題が一通り出てきます。
文章量はセンター試験の第1問(評論文)よりは短く、選択肢も少し判断しやすい表現でまとめられている印象です。
設問の傾向としては、
・出題文中の傍線に対する説明として正しいものを答える問題(5題)
・出題文中の傍線に対する説明として正しくないものを答える問題(1題)
・出題文中の空欄に補充する適語を選ぶ問題(1題)
・内容一致問題(1題)
となっています。
また、内容一致問題で当てはまるものを二つ答えたり、傍線に当てはまるものを複数解答(正答なしの選択肢あり)で答えたりと、答え方のバリエーションも多岐に渡ります。特に、当てはまらないものを答える問題は形式を認識していないと誤答する危険性が大なので、問題が何を求めているか、注意して解答するようにしましょう。
〇大問2 (20問)
出典:冨山和彦『稼ぐ力を取り戻せ!―日本のモノづくり復活の処方箋―』
現代文2題のうち、片方はセンター試験並みに長い文章が出題されるのが近年の傾向のようです。長い文章に心を砕かれぬよう、普段から長めの文章に触れて、主旨を捉える練習をしておきましょう。
設問の傾向は、
・傍線部の本文に即した意味や言い換え表現を答える問題(3題)
・出題文中の傍線に対する説明として正しいものを答える問題(10題)
・出題文中の空欄に補充する適語を選ぶ問題(1題)
・慣用表現に関する問題(2題)
・内容一致問題(4題)
となっています。
全体としてはかなり長い文章ですが、いくつかの部分に区切られており、その部分ごとに問題が出題されるため、大きな1つのテーマで短めの読解問題がたくさんある(2018年度では4つ)と考えて問題に取り組んでもよいでしょう。
〇大問3 (5問)
出典:河合隼雄『河合隼雄の幸福論』
随筆文から引用する形で国語の知識を問う問題です。
設問としては主に、
・本文中の漢字に関する問題
・傍線部の表現(主に慣用表現)に関連する問題
・本文中の空欄に適語を補充する問題
更に、
・本文の内容に合致するものを答える問題
が出題されます。
この大問でも内容一致は複数選択があり、注意が必要です。また、漢字問題はセンター試験同様、傍線部と同じ漢字を用いる熟語を選択する形式です。
◎対策
〇選択肢がバラエティに富んでいるため、答え方には要注意!
単純な難易度、という点では極端に難しくはありません。しかし、特に大問1では解答形式が択一型の問題だけでなく、問題制作側が考えて答えを出す方向に誘導しているように感じます。また、問題数は時間配分に対して多いため、テンポよく問題を解答していくことが求められます。本文中に印をつけるなど、同じ部分を何度も読む羽目に陥らないような工夫があるとよいでしょう。
〇ニュースに対するアンテナを張ろう!
近年の出題文を見るに、経済的なトレンドを取り入れた文章が用いられるケースが多いようです。前提知識の有無は現代文読解の速度に影響しますので、日頃から(特に経済の絡むテーマについては)アンテナを広く張り、情報収集を行いましょう。
受験、という目的だけでなく、日常生活においても役に立つこともあるかもしれません。
具体的に入試を受けるにはどの程度の点数をとればいいのか、また、自分の実力だとどのくらいの点数がとれるのか……などなど、詳しい情報や個人的な分析に関しましては、当教室までお問い合わせください。