私立大学難化の現状と対策

【目次】このページの内容は以下の通りです。
・首都圏私立難化の概要
・合格者数の減少という現実
・試験問題難化と合格最低点の上昇の具体例
・当塾の変わらぬ実績と行っていること

首都圏私立難化の概要

私立大学全体でみれば、運営法人の4割が赤字という声もあり、
全国規模では易化の方向に向かっていることは間違いありません。
そのため、大学全入時代と言われることもしばしばです。
ところが首都圏の場合、多数の有力私学が溢れている地域においては、
2016年度から始まった「入学定員の厳格化」によって合格者数を減少させています。
それは、基準よりも多くの学生を入学させると国からの補助金が全額カットになる制度が施行されたことが原因となっています。
そのため、各大学は基準内におさめるべく、合格者を絞り込んでいるのです。
(入学定員超過率の基準は下記を参照してください)

定員規模8,000人以上4,000人以上~8,000人未満4,000人未満
2015年度以前1.2倍以上1.3倍以上
2016年度1.17倍以上1.27倍以上1.3倍以上
2017年度1.14倍以上1.24倍以上
2018年度1.1倍以上1.2倍以上

さらに、
2019年度から1.0倍を超えた学生に見合う分の減額措置を行う予定。
0.95倍以上~1.0倍以下の場合には、一定の増額措置を行う予定。

2017年度学校基本調査によると、全国の大学生289万人のうち55万人(20%弱)が東京23区に集中し、ますます近年増加傾向にあります。受験生の都会志向・私大定員厳格化の動きを察知したことによる併願校増により、志願者数が増加しているにも関わらず合格者数が減少すれば、当然その大学はこれまでよりも格段に入学しにくくなります。

これが今回の「私立大学難化(首都圏私立難化)」の理由です。

しかしながら、今年の受験において、
当つつじヶ丘個別学習会「高校生教室」では「私立大学難化」の影響を実感することはありませんでした。
自分自身がやるべきことをきちんとやった塾生(やらせた塾生)は、
やはり、ちゃんと志望校に合格しています。
このような当塾の成果を裏付ける根拠がありますが、
まずは、「合格者数の減少」という現実を確認してみましょう。

合格者数の減少という現実

この制度の影響で、2016年度以降、厳しい入試になっていることは間違いありません。
(2019年度以降は、定員超過の大学への罰則強化が検討されていましたが、これまでの定員厳格化で一定の成果が出たことと、入学式直前まで追加合格を出す大学が続出し混乱を招いたため、ひとまず見送りになりました。)
2016年度以降、

早慶上理・GMARCH・成成明学獨国武・日東駒専のほぼすべてで志願者が大幅に増加しています。

X大学名志願者数前年からの増減合格者数前年からの増減
2016201720182017201820162017201820172018
早稲田大学108,039114,983117,2096,9442,22618,05515,92714,532-2,128-1,395
慶應義塾大学44,79744,84543,30148-1,5449,2528,9788,817-274-161
上智大学27,74829,27731,1811,5291,9045,1766,0565,085880-971
東京理科大学50,15652,22256,5662,0664,34415,72416,04415,833320-211
早慶上理合計230,740241,327248,25710,5876,93048,20747,00544,267-1,202-2,738
学習院大学17,93018,82820,4478981,6194,498 4,0263,526-472-500
明治大学108,500113,507120,2795,0076,77224,14422,85421,216-1,290-1,638
青山学院大学59,85060,96662,9051,1161,9398,833 8,0647,313-769-751
立教大学60,69362,69171,8371,9989,14612,838 11,27310,458-1,565-815
中央大学75,27574,02988,182-1,24614,15316,43115,85715,198-574 -659
法政大学101,976119,206122,49917,2303,29323,19221,18117,548-2,011-3,633
MARCH合計424,224449,227486,14925,00336,92289,93683,25575,259-6,681-7,996
成蹊大学20,62023,48121,1622,861-2,3194,7344,7204,203-14-517
成城大学18,78516,21221,134-2,5734,9224,8004,8903,91590 -975
明治学院大学23,77025,18629,6381,4164,4527,6607,1215,425-539-1,696
獨協大学18,24019,16723,4859274,3186,2886,1574,885-131-1,272
国学院大学22,02625,01824,7572,992-2614,6704,2934,403-377110
武蔵大学14,35917,22418,0802,8658563,7503,5982,651-152-947
成成明学獨国武合計117,800126,288138,2568,48811,96831,90230,77925,482-1,123-5,297
日本大学104,307112,583115,1808,2762,59729,36829,33329,265-35-68
東洋大学82,327101,180115,44118,853 14,26122,57024,67421,5042,104-3,170
駒澤大学38,44841,66644,8153,2183,14910,0589,5698,550-489-1,019
専修大学35,94944,46245,7618,5131,29910,5189,8928,437-626-1,455
日東駒専合計261,031 299,891321,19738,86021,30672,51473,46867,756954-5,712
20大学合計1,033,7951,116,7331,193,85982,93877,126 242,559234,507212,764-8,052-21,743

志願者の増加に伴い、合格者も増えれば何の問題もないのです。
しかし、実際は早慶上理・GMARCH・成成明学獨国武・日東駒専の20大学合計で
2016年度から2017年度で志願者は82,938名増加(前年比8.0%増)に対し、合格者は8,052名減少(前年比3.3%減)しています。
2018年度はさらに定員厳格化は進み、
2017年度から2018年度で志願者は77,126名増加(前年比6.9%増)して、
合格者は21,743名も減少(前年比9.2%減)しています。

この傾向は、上記20大学に限ったことではありません。
東海大、芝浦工大、東京都市大、国士舘大、武蔵野大などの大学でも同様です。
定員超過の大学への罰則強化が先送りになったとはいえ、2019年度以降は、少なくとも2018年度と同程度の定員厳格化がみられるでしょう。「入学定員の厳格化」のしわ寄せは、確実に受験生に向かうことでしょう。現在、浪人を避け、現役での大学進学化が進んでいますが先のことは誰にもわかりません。浪人生の増加により、現役生はより厳しい状況に追い込まれるかもしれません。更なる競争激化を迎えることが分かっていますので、それに備えて、慎重に緻密な作戦を立てなければ合格することは難しいでしょう。
つまり、倍率、偏差値を参考にして、合格ライン、問題傾向、各科目の配点(得意科目の配点は高いか、低いか)等を考慮し、どの教材を使用していつまでに何をできるようにすれば合格できるのかを考えて受験勉強をスタートしなくてはなりません。

試験問題難化と合格最低点の上昇の具体例

さて、お話を戻し、さらに情報の確認をいたしましょう。
倍率が圧倒的に上がったとはいえ、
志望校を変える必要はありません。合格することはできます。
明治大学商学部一般選抜について考えてみましょう。

合格最低点満点得点率倍率合格者数
2018254350736.81100
2017252350726.71121
2016218350625.11351
2015241350694.31481
2014239350684.71213
20132433506961053

定員厳格化が行われた2016年度には、合格最低点が2015年度より大幅に下がっています。これは、150/350を占める英語の出題傾向が大きく変わったことと、国語(古文)の文章・設問ともに難易度が上がったことによる影響が大きいでしょう。(大学が定員を絞るために問題を難化させたのでしょう。)
2016年度から2017年度でも英語の形式は変わった箇所がありましたが、2015年度→2016年度ほどではなく、合格最低点は例年+αに戻っています。+αに関しては私立大学難化と言えます。

合格者数は2015年度→2016年度→2017年度→2018年度と減少し、倍率も上がり、合格最低点も上がっています。かなり難化していると感じるかもしれません。
しかも、明治大学のHPでは、以下のように説明がなされています。

『受験生の多い学部では、合否のボーダーライン上の、1点の中に何十人もの受験生がいます。1点差で何十番も順位が上下するので、1問1問を大切にしてください。なお、明治大学では、同点者は同じ扱いとしていますので、その中で選抜されることはありません。』

以上の説明で明らかなように1点の中に何十人も受験生がいます。それが何点も変われば当初合格できるはずと見込んでいた何百人が涙を飲んだことでしょう。

しかし、受験生の併願校増と大学の合格者減の私立大学難化であっても、
合格するためには、
現在の学力を知ることです。
② ゴールを知ることです。ゴールは分かりましたね。志望校の合格最低点です。
③ 限られた時間内で①と②の差を埋めるために、受験勉強を進めるのみです。

当塾の変わらぬ実績と行っていること

当塾は、2006年以来、各年度の合格実績を一人一校表記、すなわち、「進学実績」として公表しています。(一人一校表記:一人が10校20校合格しても進学した1校しか「実績」として出していません。)
そして、数多くの逆転劇を積み重ねてきました。
高3の夏から受験勉強を始め青山学院大に合格した生徒、
純粋にほぼ無の状態から1年間の受験勉強で明治大学に合格した生徒、
高校野球のエースが夏の引退から受験勉強を始めて日本大学に合格した生徒がいます。

2018年度入試では、
2017年度→2018年度で志願者が102%増の早稲田大学、106%増の明治大学、119%増の中央大学、103%増の法政大学、152%増の東京都市大学…に合格した生徒もいます。

当塾には都立最上位、私立上位の高校の生徒から、通信制の生徒まで多士済々です。
高校の差はあるとしても、何のためらいもなく、
自分自身の目標に向かってそれぞれが、自分自身の学習の過程で日々の積み重ねを行っています。
これこそがつつじヶ丘個別学習会「高校生教室」の在り方であり、また誇れるところです。

何となく分かってはいても、現在の学力を正確に把握できているでしょうか。自分を客観視し、自分に厳しく物事を行うことは勉強に限らず難しいものです。勉強では『ケアレスミスだから大丈夫』『計算ミスだから問題なし』『解説を見たら概ね分かった』『公式を度忘れしただけ』等本来の自分なら解けていたような体で次の問題に進み、勉強をしていませんか。

当塾では、お問い合わせの後、まずは面談+学力判定テスト(無料)を行っています。現在の学力を正確に把握するためです。本人は覚えていたつもりの知識が抜け落ちていたり、過去に解けた問題が現在も解けると思っていることは多々あります。それからゴール(志望校の問題傾向や合格最低点)についての分析も当塾で行います。スタートとゴールの差を残り時間で埋めるための作戦(いつまでに何がどのくらい定着していれば合格できるのか)を立て学習を始めます。一人ではチェックが甘くなってしまいがちなものについても徹底的に繰り返します。倍率の高い入試ではこれまで以上にケアレスミスや計算間違いが命取りとなります。それを見越した『120%間違えません』といった基本問題の定着が重要です。

現在の学力が高い人が合格するわけではありませんし、現在の学力が低い人が不合格になるわけでもありません。登山初心者であっても、適切な指導者の下で適切なルートを歩めば、登頂することができるでしょう。上級者であっても、森に迷い込み、適切なルートを歩めなければ頂上へは辿り着けません。それと同様の事です。
大切なことは、現在の学力を正確に把握し、ゴールに到達するために、適切なルートを歩むことです。

私立大学難化の影響で厳しい受験を迎える受験生が合格の切符を手にするための一助となれば幸いです。

受験に向けてのご不明点、お悩み・ご相談等ございましたら、調布市にある個別指導塾、つつじヶ丘個別学習会にお気軽にお問い合わせ下さいますよう、お願い申し上げます。

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