大学入試の英語外部試験として採用されている検定試験の紹介
2018.09.01

ここでは、英語外部試験として採用されている検定試験および、それらを評価しているCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)について概説しています。
・実用英語技能検定(英検)
大学受験において最も幅広く採用されている検定試験です。
以前は合格、不合格の判定だけでしたが、CSE2.0(新英検)によってスコア化がなされ、より詳細な評価が分かるようになりました。
一部の大学では準2級の合格を出願資格としているところもありますが、多くは2級合格以上を必要とします。
また、特に英語の力を必要とする学部・学科(英文学・米文学・国際系など)の入試の場合は準1級以上や、2級でもCSE2.0(新英検)のスコアで合格点(1980点)よりも高いものを求められることもあります。
・GTEC / GTEC for STUDENTS / GTEC CBT
GTECには4技能を判定する「GTEC」、3技能(リーディング・リスニング・ライティング)を判定する「GTEC for STUDENTS」、コンピュータを利用してテストを行う「GTEC CBT」があります。
このうち、GTEC for STUDENTSはGTECと統合されたため、現在は3技能の試験は行われていないようです。また、GTECには社会人向けのものもありますが、今回は割愛します。
GTECは問題難易度別にCore、Basic、Advancedの3種がありますが、評価軸は統一されています。また、それぞれに上限点数がある他、大学によってはAdvancedもしくはCBTのみを外部試験出願に利用することもあるため、大学受験に利用することを考えるのであれば、AdvancedおよびCBTの受検を考えましょう。
・TEAP / TEAP CBT
TEAPは4技能について各100点満点でスコアを算出します。TEAP CBTは各200点満点です。
いずれについても主にCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)におけるA2~B2までのレベルを想定しており、大学受験生向けのテストの側面を持っています。
・TOEFL iBT
TOEFL iBTは非英語圏出身者に向けた英語の試験で、0~120点のスコアで判定されます。CEFRにおいてはB1~C1を参照枠としており、先述のTEAPよりは英語圏の大学へ留学する学生に向けたテストという側面が強くなります。
将来的に留学を考えているのであればこちらを受けるのもよいかもしれません。
・TOEIC L&R / TOEIC S&W
TOEICはL&Rのスコアが5~495点(Listening、Readingで別)、S&Wのスコアが0~200点(Speaking、Writingで別)で判定されますが、CEFRではS&Wのスコアを1.5倍して、総計1990点満点として、A1~C1までの幅広い判定を行っています。
TOEFLがアカデミックな英語に対する力を重視する一方で、TOEICはコミュニケーション能力を重視すると言われています。TOEFLと同じく、将来的に英語圏での生活を想定しているのであれば受検するのもよいでしょう。
・IELTS
ケンブリッジ大学英語検定機構による検定試験です。
IELTSには大学入学希望者の英語能力を判定する「Academic Module」と英語圏への移住や生活にかかわる「General Training Module」があります。大学受験のためにはAcademic Moduleを受検しましょう。
また、バンドスコア(成績)が0~9で与えられますが、4.0以上なければ大学受験にはまず役に立たないことも覚えておきましょう。
ちなみに、CEFRにおける最上位段階であるC2の評価にあたるものは、英語ではIELTSのバンドスコア8.5以上か、ケンブリッジ英語検定(後述)のCPE(Proficiency)およびAPE(Advanced)の一定以上のスコアのみです。
・ケンブリッジ大学一般英語検定試験
ケンブリッジ大学英語検定機構による一般的な英語能力を判定する検定試験です。
レベル別に下からKET、PET、FCE、CAE、CPEの5種類があり、おおよそPETと英検2級、FCEと英検準1級、CAEと英検1級がレベルとして近い位置づけになります。
まだ日本では知名度がそこまで高くなく、受検のために少し遠くまで足を運ぶ必要が出てくる可能性があります。
・国際連合公用語英語検定試験(国連英検)
特A級からE級まで6段階がありますが、採用している大学の数は非常に少ないですが、確認できる範囲ではC級の取得を基準としている大学があります。
なお、C級まではマーク式の1次試験のみ、B級は英作文が入り、A級以上はさらに面接が加わります。
〇CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)
先ほどの各検定試験の紹介にも出てきたCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)とは、ヨーロッパの全ての言語に適用できるような学習状況の評価や指導の方法を提供することを目的として設定された、外国語の学習者の学習状況を示す際に用いられるガイドラインです。
最も基礎の段階であるA1から、非常に習熟した段階であるC2までの計6つの段階があり、それぞれについて言語能力として何ができるかの基準が示されています。
上述の各検定試験についても、CEFRと対照して、各検定のスコアによってCEFRのどの段階にあるのかが評価できるようになっています。
更に、CEFR評価を経由することによって異なる検定間で評価の比較が可能になっています。
例えば、CEFR評価B1の下限がCSE2.0(新英検)だと1950(2級合格が1980)、GTEC / GTEC CBTだと960、TEAPだと225、TOEFL iBTだと42となっています。CEFRを基準として考えると、これらの点数が同じレベルとして評価されていることになります。
これらの試験で一定以上のスコア、評価を取得していると出願ができる、または有利になる大学入試が近年非常に多くなっています。詳細はこちらを参照してください。
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