大学入学共通テスト(現センター試験) 数学【プレテスト分析】
2018.05.01
大学入学共通テスト(以下、「共通テスト」と表記する)導入に先立ち、試行調査(プレテスト)が現在進められています。判明している情報を基に、その傾向を分析しました。
・解答形式
今回の共通テストの解答形式は大きく3つに分類されます。
①数値をマークする問題
②選択肢をマークする問題
③記述問題
①は現在のセンター試験で中心となっている解答形式。
共通テストではIAで全体の20%、IIBで全体の25%程度と、従来の形から大幅な減少が見られます。
②は新課程(2015年度)から増加傾向にある解答形式。
共通テストではIA、IIBともに全体の75%程度と、主要な解答形式となっています。また、今までは見られなかった、複数の解答を求められる形式も追加されています。
③は共通テストで追加される解答形式。
今回はIAからのみ出題され、IIBからの出題はされていません。しかし、今後のプレテストでIIBから出題される可能性もありうると考えられます。
また、現状ではすべての問題が必答問題の中にあります。そのため、選択で記述問題から逃げる、ということは許されません。
・文章量
従来のセンター試験と比べ、文章量は大幅に増加しています。
設問が思考の筋道を辿って答えるような形式にシフトしていることが主な要因です。どの程度増加しているか、問題が掲載されているページ数(空白のページはカウントしない)を確認すると、
数学Ⅰ・A:16ページ→32ページに増加
数学Ⅱ・B:14ページ→22ページに増加(但し、正規分布表を含める)
と、約1.5~2倍のページを割いていることがわかります。更にページあたりの文章量も平均して共通テストの方が多く、体感としては数学IAの文章量は現状の2倍以上に感じられると思われます。
しかし、それでいて試験時間がそこまで多くなるわけではありません。今回のプレテストは数学Ⅰ・A:70分、Ⅱ・B:60分であったようです(この差は数学IAのみ記述が出題されたことに起因すると考えられます)。そのため、情報を素早く処理し、読み進めていく力は従来よりも高いものが要求されることとなるでしょう。
・難易度
単純に「上がったor下がった」で評価するのならば、全体として難易度は上昇すると言って差し支えないでしょう。
従来のセンター試験よりも「語句の定義や定理・法則の正しい理解」「問題から解答へ至る過程の理解」を問われるような問題が増えていると考えられます。また、従来のような誘導型の問題ではなく、「解答の指針を策定する」問題が出現しているようです。
つまり、与えられた情報に基づいて問題を解答する際に、アプローチをどのようにかけていくか――これは今までになかった形の問い方であると言えるでしょう。
これらを踏まえて、公式をそのまま使うだけではなく、その公式がどのようなときに活用できるのかを理解する必要が今まで以上に出てきます。
数学は公式を覚えるだけの科目ではありません。与えられた問題という現状を、如何に解決へ導くか――そのような思考力を、これからのテストは求めていく方向性になりそうです。
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