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夏から始める受験勉強(数学編)①

2018.06.17

受験の夏が近づいています。

夏休み期間は基礎構築の最終段階です。ほぼ1か月半あるこの時期の過ごし方で、その後の受験戦略の組み立て方が良くも悪くも変わってきます。この記事が皆さんをゴールへ導くヒントになることでしょう。

 

◎数学の選択範囲

数学を受験で使う場合、原則として以下の4つのパターンが考えられます。

 

・数学Ⅰ・Aを利用する

 看護・保健系統や経済・経営系統などの学部・学科の一部でみられる形式です。

 他科目(理科や国語など)との選択科目として課されることが多く、数学Ⅰ・Aをどうしても受けなければならないという受験生はそこまで多くはないでしょう。

 

・数学Ⅰ・A・Ⅱを利用する

 主に文系の学部・学科において選択科目として見られる形式です。

 これもそこまで広範にみられる形式ではありません。

 

・数学Ⅰ・A・Ⅱ・Bを利用する

 文系で公立大を志望する場合や、理系でも理科に重点を置く大学を受験する際に使われることのある形式です。

 文系数学としてはこの範囲が最大となります。

 理工学系統でもこの形式で受験できる大学はありますが、中堅以上の大学では後述の数学Ⅲまでを求められると考えてよいでしょう。

 

・数学Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲを利用する

 受験数学においては最大の範囲がこちらになります。数学Ⅲは理系科目となるので、この形式を選択するのは理系のみとなります。

 

 

◎数学のセンター試験

 センター試験の数学を受験する場合、多くの受験生が「数学Ⅰ・A」「数学Ⅱ・B」を選択します。

 数学Ⅰ、数学Ⅱもありますが、選択する受験生は非常に少ないです。

 また、センター試験の範囲に数学Ⅲは含まれません。理系で数学Ⅲまでを使う受験生の場合にはセンター試験の対策と数学Ⅲの学習バランスを取ることが必要になります。

 なお、数学の選択科目である「簿記・会計」および「情報関係基礎」については普通科の高校では学習しないものが含まれるので、原則的に普通科の高校生およびその卒業生は選択しません。

 

 

◎受験数学の勉強を始めるにあたって

これから受験勉強を始める、という受験生の皆さんにまず言っておかねばならないことがあります。

 それは、科目の全体像を把握せよ、ということです。

 これから皆さんは参考書や問題集と向き合い、読み進めあるいは解き進めていくことになります。しかし、途中で高難度の問題に突き当たることがあるでしょう。そのときに、そこで散々悩んで時間を使うことが、果たして今のあなたに必要なのか、考えてみてください。

 

 問題集を端から端まで順番にやる必要などありません。

 あなたの目的は参考書を読破することでも問題集を制覇することでもありません。

 目標とする大学に合格することです。

 

 テキストはあなたの目標を達成するための補助ツールです。自分に合ったものを選べば、しっかりとあなたの勉強を助けてくれることでしょう。しかし、そのツールにばかり囚われることなく、自分が勉強する科目がどういった全体像をしているのか、俯瞰できるようになることも同様に大事であることを忘れないでください。

 

 

◎数学はどこから押さえるべきか

 ここからは数学で最初に押さえておきたいポイントを解説していきます。

 ただし、先述のように数学を学習する受験生により範囲が異なるので、選択パターン別に説明します。

 

今回は「数学Ⅲまでを利用する場合」にフォーカスします。

数学Ⅲを用いない場合については数学編②にて。

 

①数学Ⅲまでを利用する場合

 数学Ⅲまで学習する受験生にとって、最重要となるのは数学Ⅲの「微分法」「積分法」です。この分野は実際の入試でも何らかの形で確実に出題されると思って頂いて良いでしょう。

 しかし、だからと言って「さあ微分積分頑張るぞ」とはなりません。特に夏から受験勉強を始めるとなったときに、「今まで学習したことをちゃんと覚えている」と自信を持って言える受験生がどれだけいるでしょうか? 個人的な見立てでは1%いれば多い方だと思います。

 数学Ⅲの微分積分を定着させるには、まずそれ以前に学習した知識が頭に入っていることが前提条件になります。特に、「関数」と名の付くものは全て数学Ⅲで扱うので、忘れている場合には最優先で補強する必要があります。

 数学Ⅲの「微分法」「積分法」で前提として必要になる分野は、

・数学Ⅰ「方程式・不等式」「二次関数」「三角比」

・数学Ⅱ「三角関数」「点と直線・円」「指数・対数関数」「微分法」「積分法」

・数学B「数列」

・数学Ⅲ「式と曲線」「関数」

 と、かなりの量があります。この前提部分を疎かにしたまま数学Ⅲをマスターしようとしても、ところどころで知らないことが出てきてしまう危険性があるのです。

 なので、まずは上述の「数学Ⅲの微分積分をマスターするために必要な分野」を理解することが最優先事項となります。

 

 ただ、これはあくまでも最優先事項であって、それだけで良いということにはなりません。上記以外にも数学はあります。

 その中でも、ここ数年見てきた生徒たちから苦手と自己申告を受けた経験の最も多い分野が、数学A「場合の数・確率」です。

 この分野は特に、問題文を見てその意味を正確に把握する、ある意味で国語力をとても必要とするので、国語を嫌って理系に進んだ受験生には鬼門かもしれません。しかし、苦手であるならばより一層早めの対策が必要になります。

 

まとめますと、夏はまず

〇数学Ⅲの微分積分を理解するための基礎を確立する

〇現状で苦手な分野を対策し、できるようにする

の2点を基本に学習計画を立てましょう。

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