令和6年度 日本大学基礎学力到達度テスト 出題傾向と難易度を分析しました 3年4月実施
2024.04.24
令和6年度4月の基礎学力到達度テストが終わりました。
受けて終わり、結果が出るまで待つのではなく、自己採点をして次の試験までに克服しなければならない部分を捜し出しましょう。
今回のテストの傾向や難易度を分析しました。今後の学習の参考にしてください。
基礎学力到達度テストの概要・対策はこちらをご覧ください。
《英語》
大問 | 出題 | 内容 | 昨年比 |
1 | リスニング | 短答、絵、グラフなど | 昨年並み |
2 |
(A)単語の意味 (B)熟語 |
やや難化 | |
3 | 文法 | 昨年並み | |
4 | 整序 | やや難化 | |
5 | 会話 | ライブ配信中の会話 | 昨年並み |
6 |
(A)グラフ (B)空欄補充 |
A「アスリートと誕生月の関係」
B「パーカー大佐の商業展開」 |
昨年並み |
7 | 長文 | 「群集雪崩に関する長文」 | 昨年並み |
解答時間や出題数に変化はありませんでした。
大問2(A)の語句の意味を問う問題は判断しづらい設問が2問ありました。続く(B)熟語も、全体的に難易度は上がったかな、という印象を受けました。大問3では1題、大問4では2題ほど細かい知識を必要とする設問が見受けられました。この前半で少し手が止まってしまうと、大問5以降の長文問題に時間を残せません。配点の関係上、残りの3題に手を付ける方が点数は見込めるので(今回のテストでは大問5~7で54点満点)、わからない問題で長考せずにさっと次に移るようにしましょう。
長文は難易度自体は昨年と大差ないですが、後述する国語の難易度が上がったことによりその直後の試験である英語で力を発揮しきれなかった方が多いと思います。
全体的な難易度は昨年並み~ほんの少し難化です。
所々に細かい文法知識が必要な部分があったので、今回のテストで思うように点数が取れなかったのであれば文法の総復習を行う必要があります。
《数学》
大問 | 単元 | 内容 | 昨年比 |
1 | 小問集合 | 整式の割り算、複素数、三角比、対称式 | 昨年並み |
2 | 円と方程式 | 円の方程式、点と直線の距離、求積 | 昨年並み |
3 | 指数・対数関数 | 指数方程式、対数不等式 | 昨年並み |
4 | 微分・積分 | 極大値、接線、定数 | 昨年並み |
5 | 三角関数 | 三角比、加法定理、合成 | 昨年並み |
6 | 数列 | 等差数列、等比数列、階差数列 | 易化 |
7 | 統計的推測 | 確率、期待値、標準偏差 | 出題なし |
8 | ベクトル | 成分計算、内積 | 昨年並み |
「統計的な推測」が大問7に加わり、大問6~8が3題中2題の選択式となりました。
大問1・2は昨年並みの難易度でした。大問3は⑶が今までにない形の出題で、普段の学習の中で桁数に関する問題にきちんと取り組めているかが正答を分けたのではないかと思います。大問4の⑵も例年は面積を求めさせる出題でしたが、面積が分かっている状態から区間を求めさせるものとなっていました。大問5は例年程度の難易度でした。大問6は昨年の群数列よりはかなり簡単な印象です。大問7は新課程初年度としては簡単でした。大問8は昨年程度の難易度かと思われます。
全体としての難易度は昨年並みでしたが、随所に新しい試みの設問が見受けられました。過去問演習のみで対応することは厳しくなると思います。標準的な難易度のテキストを一冊仕上げるつもりで演習に励むと良いでしょう。
《国語》
大問 | 単元 | 内容 | 昨年比 |
1 | 国語常識 | 読み、対義語、四字熟語、 故事成語、キーワード、慣用表現、 敬語、文学史、国語常識、文学史 |
昨年並み |
2 | 評論 | 苅谷剛彦「高等教育のグローバル競争とキャッチアップ終焉意識」 | やや難化 |
3 | 小説 | 黒井千次「禁域」 | やや難化 |
4 | 古文 | 「今昔物語集」 | やや難化 |
5 | 漢文 | 「孫子」 | 難化 |
大問1は例年通りです。特に変わった点はありません。大問2では設問数は変わらず、本文の文字数がやや短くなっていました。ただ本文内容は抽象的で読解しにくいものとなっており、バランスをとるためか1問だけ慣用表現の問題になっています。昨年と比べたらやや難しくなったように感じます。大問3は昨年に比べて設問数が10→8と減少、本文の文字数は1.5倍ほどになっています。設問が減ったとはいえ、読んだり探したりするにも時間がかかるので、読むスピードに自信がない方にとってはかなりの難問になったことがうかがえます。日頃の学習から時間を測るなどして、自らの読むスピードを意識した学習を心掛けましょう。大問4の古文は昨年と比べて設問数は変わらず、文章量は約2倍になっています。設問の中身では昨年は文法や言葉の意味が2題出題だったのに対して今年度は4題と、少し簡単になった印象です。読む量はかなり増えているので難化したと言えます。大問5の漢文は設問が1題増え、文章量も約2倍になっています。かなり難化しています。全体的に読む量が増え、苦戦した方が多いのではないでしょうか。
【まとめ】
全体的に見ると少し難しくなっているようです。特に国語の難化は影響が大きいです。
というのも、基礎学力到達度テストの時間割は➀国語、➁英語、③数学となっており、国語で躓いたり、体力を使ってしまったりしたらその後の科目解答に悪影響を及ぼすだろうからです。国語→英語の語学2連戦はかなり負担が大きいと思います。そのうえ1科目目の国語が難しいと気力が削がれてしまうのは想像に難くありません。対策としては日頃から長めの文章に慣れておくこと、科目ごとに気持ちの切り替えができるようにしていくことです。もちろんそれに加えて今回のテストでできなかった部分を単元ごとに学習することも欠かせません。
また、今年度3年生の皆さんは新課程導入後の初めての受験生です。出題で大きな変化はありませんでしたが、細かいところで今までと違う問われ方がし始められています。定期テストの延長のような学習ではなく、日々の学習の中で思考力を養いながら長期の学習計画を立ててコツコツ勉強していきましょう。
自分の苦手なところが分からない、わかってもどう対処していいかわからないとお困りの方はつつじヶ丘個別学習会高校生教室までご連絡ください。