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夏から始める受験勉強 (理科編)

2018.06.15

受験生の皆さん、勉強ははかどっていますか?

部活動に精を出していたスポーツマンたちにとっても、既に受験勉強のただなかにある受験生たちにとっても、夏休み期間は基礎構築の最終段階です。この夏を100%フル活用して、来るべき本番の受験に向けた基礎を確立しましょう!

 

 

受験生の皆さんは既にお分かりと思いますが、理科選択には現状様々な選択形式があります。4科目全てに基礎科目があり、それぞれに学習範囲が設定されています。

今回はセンター試験で理科を受ける受験生に向けて、センター試験での選択形式および、それぞれの学習について、優先して押さえておくべきポイントを説明します。

 

◎センター試験での理科選択の形式

センター試験では、理科は下記の4パターンから選ぶ形になります。

・理科基礎(センターでは理科①と分類)2科目(平成30年度受験者:143,204人)

 文系で公立大学を受ける場合や、看護系の一部大学に対応することができます。

 基礎科目なので出題範囲や難易度は控えめになりますが、2科目受験することになります。

 センター試験の理科基礎は試験時間30分(正確には2科まとめて60分)、各50点満点です。

 科目選択(平成30年度データ)は、「化学基礎・生物基礎」の選択者が過半数です。次いで「生物基礎・地学基礎」が多数を占めています。

・理科(センターでは理科②と分類)1科目(平成30年度受験者:33,919人)

 私大理系の受験者の多くはこの形式を取ることになると思います。また、文系公立志望でこちらの形式を取る受験生もいます。

 科目選択(平成30年度データ)は、「物理」が4割弱、「化学」「生物」が3割程度で、「地学」は少数です。

・理科1科目と理科基礎2科目(平成30年度受験者:19,205人)

 この形式は基本的に理系でセンター試験のみ理科2科目を必要とする場合に選択する形式ですが、文系受験者や私大理系受験者で理科を幅広く受け、高得点を取った科目を出願に利用するためにこの形式を取るケースもあるようです。

 しかし、いずれにせよあまりメジャーな選択肢ではありません。

 科目選択(平成30年度データ)は、「生物・生物基礎・化学基礎」が最多で、次いで「物理・物理基礎・化学基礎」、「化学・化学基礎・生物基礎」、「化学・化学基礎・物理基礎」と、基礎科目の一つを理科の受験科目と重ねる傾向が見られます。

勉強する範囲のことを考えれば当然と言っていいでしょう。

・理科2科目(平成30年度受験者:191,266人)

 公立大理系志望者および、私大理系でも難関校を目指す受験生はこちらの選択が主流になります。

 科目選択(平成30年度データ)は、「物理・化学」が7割超、「化学・生物」が4分の1程度、他の選択は少数ずつ、となっています。

 

 

◎受験理科の勉強を始めるにあたって

これから受験勉強を始める、という受験生の皆さんにまず言っておかねばならないことがあります。

 それは、科目の全体像を把握せよ、ということです。

 これから皆さんは参考書や問題集と向き合い、読み進めあるいは解き進めていくことになります。しかし、途中で高難度の問題に突き当たることがあるでしょう。そのときに、そこで散々悩んで時間を使うことが、果たして今のあなたに必要なのか、考えてみてください。

 

 問題集を端から端まで順番にやる必要などありません。

 あなたの目的は参考書を読破することでも問題集を制覇することでもありません。

 目標とする大学に合格することです。

 

 テキストはあなたの目標を達成するための補助ツールです。自分に合ったものを選べば、しっかりとあなたの勉強を助けてくれることでしょう。しかし、そのツールにばかり囚われることなく、自分が勉強する科目がどういった全体像をしているのか、俯瞰できるようになることも同様に大事であることを忘れないでください。

 

 

◎各科目のまずは何を押さえるべきか

 ここからは各科目で最初に押さえておきたいポイントを解説していきます。

 

①物理基礎・物理

 物理および物理基礎の主要な分野としては「力学」「波動」「電磁気」があります。他にも「熱力学」「原子」が挙げられますが、大きなテーマとして理解しておきたいのは、「エネルギー」という概念です。

 このエネルギーを扱う問題は主要分野のいずれにも登場するものですが、物理基礎から登場する「力学」を通じてエネルギーの扱いを理解するのが最重要と言えるでしょう。

 まずは速さ・速度から加速度、加速度から力、力からエネルギーへと段階を踏んでエネルギーという概念をインプットし、そこから保存量・非保存量や慣性力などのより複雑な話へ繋げていくのが常道でしょう。

 波動でも相対速度など、力学で学ぶ概念は大いに活用されますし、電気の流れはミクロな視点で考えれば電子の運動なので、力学を正しく理解することで他分野の理解も促進することができます。

 どこからやればいいか分からないという人は、まず力学の基礎概念を押さえましょう。

 

 

②化学基礎・化学

 化学基礎および化学については、最初にやるべきことは暗記です。

 と言っても、「無機化学」「有機化学」のように化学物質の性質を理解する段階ではなく、元素記号・分子式・イオン式・化学反応式などの理解をすることです。

 問題を解くにしてもそこが分からなければどうにもなりませんし、参考書を読もうとしても式が理解できなければ止まってしまいます。

 また、化学式などを理解した上で、物質量(mol)の関係する計算ができることが同レベルで重要になってきます。

 物質量・質量・体積(標準状態の気体における)・分子数の4量の関係を理解していない状態では、計算問題に太刀打ちできないと言っても差し支えないでしょう。そこをしっかり押さえた上で、化学まで学習する場合でもまずは化学基礎の分野を一通り押さえましょう。

 化学選択者は「理論化学」と「無機化学」「有機化学」は別枠で並行して学習することもできます。目標と自分の現状を見比べて、どのような手順で進めるかは考えなければなりませんが、凡その進行手順としては先に理論化学を学習した上で、理論化学の復習・実践を行いながら無機・有機化学の学習を進めるというケースが多いでしょう。

 

 

③生物基礎・生物

生物基礎および生物の範囲は多岐にわたり、物理や化学ほど計算能力を必要としない分野が多数を占めます。

特に奇をてらった進め方をする必要はなく、テキストの順に沿って進行することに抵抗がなければその通りに進めてしまうのが最善でしょう。

ただ、生物の体内で起きる反応(ADPやATPをはじめとする物質の動き)や遺伝に関係する計算問題などは、理系科目を嫌って文系に進んだ受験生にとっては手を出しにくい分野になることが多いです。そういうケースに当たったら、繰り返し練習をして早めに基本だけでもできるようにしておきましょう。

また、生物選択者は生物基礎の範囲をないがしろにしないように気を付けてください。「バイオーム」などは生物で触れられることのない分野ですが、それゆえに忘れてしまうことも十分に考えられます。

 

 

④地学基礎 ※地学については選択者が極端に少ないため割愛します。

地学基礎は天文、地層、環境に関する事項が主流となります。

時系列を追って、地球の誕生から地球内部の活動、古生物の変遷や地質時代の区分へと理解を進めていくとよいでしょう。

 植生なども、極相に至るまでの動きを理解し、時間軸に沿って何がどう変化しているのか、イメージをつかんでいくことが重要です。

 

 

◎まとめ

 受験勉強を夏から始める。

 それは春から、あるいは受験学年に至る前から受験を意識しているライバルたちに、その時点で後れを取っているということを頭の片隅に置いておかねばなりません。しかし、だからと言ってその遅れはどうにも取り戻せないものなのか、というとその限りでもありません。

 合格というゴールへ向かってどう進んでいけばいいか分からない、もしくはどこを目指していけばいいのか分からない、ということもあるかもしれません。そんなときは、是非当教室へご連絡ください。たどり着きたい目標への道を共に進みましょう。

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