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小中生教室ニュース

都立高校入試 男女別定員緩和について

2022.04.11

今回2022年春の都立高校入試の大きなトピックスとしてはこれまで段々と対象校が拡大されてきた「男女別定員の緩和措置」がついにすべての全日制普通科(109校)に実施されたということです。前年度2021年春が42校だったのに比べると一気に緩和措置が進みました。男女合同定員に移行するための第一段階はクリアしたわけです。
今後は「第二段階では男女別定員緩和を20%に拡大、第三段階では男女合同定員に移行」と東京都教育委員会HPにあるように、いずれは男女別定員の撤廃に向け段階的に移行していく流れですが、まずは直近の課題として全日制普通科全校にまで広がった男女別定員の緩和10%について触れておきます。
男女別に募集人員を定めている高等学校において、男女間の合格最低点における格差(不公平)を是正するために募集人員の9割を男女別総合成績により決定した後、募集人員の1割に相当する人員を男女合同の総合成績の順に合格候補者として決定する制度として平成10年度から導入され、実施されてきたのが「男女別定員の緩和措置」です。
そこでまず、2022春の都立高校入試でエリア的に例年塾生の受験者が多い高校の男女別定員緩和の結果をあげてみます。

*調布北 男子 定員99人→合格者92人(定員より7人減)受験者149人により倍率1.51倍のはずが実質倍率1.62倍にup
*神代  男子 定員116人→合格者105人(定員より11人減 ほぼ10%減!)受験者187人により倍率1.61倍のはずが実質倍率1.78倍にup
*府中 男子 定員116人→合格者109人(定員より7人減)受験者200人により倍率1.72倍のはずが実質倍率1.83倍にup

と倍率高めの中堅校及び中堅上位校で男子にマイナスの影響が出たケースが目立ちました。
(特に豊多摩は 男子・定員-13人、女子・定員+14人 と男子倍率が1.73倍→1.92倍に上昇する羽目になりました)
現場の実感としても、例えば府中高校は某大手模試業者の出していた最新の男子合格予想ライン(基本的には余裕持たせた合格基準点)すれすれだと合格が厳しかったと推測され、次年度の総合得点目安が610点→630点と20点増えることになるようです。どうしても前回入試の難易度・倍率をもとに設定されるので仕方ないことですが、男女別定員緩和の影響がシビアに出たケースの一つです。このあたりは志望校選択においてギリギリ合格を狙う場合はリスクとして留意する必要があります。
一方調布南のように(男女のレベルが拮抗していたのか)男子・定員+2、女子・定員+1と定員より合格者を微増させ、すませているケース(この程度ならほぼ定員通りとも言えますが)、狛江のように男子+3、女子-1とそこまで大差がなかったケース、上位校で国立のように男子が定員+12、女子が定員-8と女子の方が割を食ったケースもありますが、全体としては比較的倍率の高い中堅校・中堅上位校に関しては、おおむね男子の定員が減るリスクが高い傾向があると言えます。
これはこれで、実力勝負である点からしての公平な措置であることは間違いなく、都立高校(普通科)が男女別定員を堅持してきたことが時代遅れ、不公平と批判されてきた点からしても本来あるべき姿に近づいているということは確かでしょう。(単位制・コース制は女子が男子の2~3倍にまでなっている学校もざらですが、これは男女の志望する進路の違いによるものでもあります)
たしかに男女別定員で結果的に総合得点が女子より低い男子が有利になっていたケースもありましたが、一方、内申点制度という観点から見ると、一般的に多くの女子よりも教師とのコミュニケーションが下手で不器用な男子生徒が試験で点を取っても内申点で割を食ってしまうケースも多く見受けられるという別な「制度上の不公平」の問題もあります(コミュケーション能力も成績評価の主要な対象であるという反論もあるでしょうが、学習塾という民間教育機関の立場から見ると恣意的で不条理に感じられる成績評価と生徒からの相談が後を絶ちません)が、そこは別な大きなテーマになるので今回は踏み込まずにおきます。
いずれにせよ定員が最終的に1割程度減る(予想以上に倍率が上がる)リスクを考慮した早めの内申対策・状況に見合った学習の取り組みを意識していく必要があります。男女問わず今後の入試情勢の変動リスクを踏まえて、一人ひとりの状況や志望に応じた現状分析と攻めの対策をお伝えしてまいりますので個別学習会にぜひお問い合わせ・ご相談ください。

つつじヶ丘個別学習会 小中学生教室 教室長 平井

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