【日大付属基礎学力到達度テスト】令和6年度9月試験 最新の傾向分析! 国語・英語・文系数(新課程対応)編
2024.10.09
9月26日に令和6年度9月試験が行われました。
今回のテストは新課程一回目のものだったので、対策も手探りな部分がありました。
現在2年生、1年生の皆さんは過去問から傾向を把握し、対策していくことができます。
それぞれの科目の変更点や傾向を抑えて、逆転合格のための準備をしていきましょう。
英語
大問1 リスニング
Part(A)はリスニングし、該当する写真を選ぶ問題。例年通り3問。(B)は短い対話を聞いて答える問題。設問数は昨年と同じく3題。(C)は長い文章を聞いて答える問題。例年通り2問。
大問2 文法・会話・整序
(A)は文法・語法4題、(B)は会話文4題、(C)は整序5題。すべて例年通り。
大問3 長文(グラフ)
文字数は昨年に比べてやや増加(21行→24行)。題材は昨年と同様に新型コロナウイルス感染症に関するもの。グラフが昨年は一つであったのに対して二つとなっており、どちらのグラフから情報を読み取るべきか注意しなくてはならず、やや難しいか。
大問4 長文(空欄補充)
昨年に比べて文字数がやや減少(合わせて42行→合わせて41行)。
トピックはギガス写本に関するものと、ハシビロコウに関するもの。後者は近年SNSを中心に話題となったものであり、最新のトピックを扱っていこうとする意志が見える。
大問5 長文
昨年に比べて文字数は微減(37行→38行)。株式市場と株価ティッカーに関するトピック。高校生には馴染みが薄そうである。
出題傾向に大きな変化はありません。昨年に比べて読む量がほんの少し長くなっています(昨年総100行→今年総103行)。大問3、5の長文が少々長く、大問4が少し短くなりました。設問数は変わらず昨年48題となっています。分量的な難易度の変化はほとんどないように思われます。昨年と同じく新型コロナウイルス感染症やハシビロコウなど社会的な問題や流行が取り上げられる一方で、ギガス写本や株価ティッカーなどが薄いに関する長文が出るなど、時事トピックへの関心のみならず、どんな話題の文章が出ても対応できる読解力が要求されました。また、大問5の出題において、昨年は「第1段落を読んで答えなさい」といった形で段落子弟がありましたが、今年度ではほとんどありませんでした。段落ごとに解くというやり方で問題ありませんが、混乱した受験生もいたかなと思います。
国語
大問1 国語常識
例年通り、知識問題を7題出題。問6のみ隔年で類義語/対義語を出題。
大問2 現代文(評論)
出典は小谷野敦「日本人のための世界史入門」。分量はやや増加(昨年113行→121行)。
設問数は変わらず。昨年は出題がなかった理由説明問題の出題。
大問3 現代文(小説)
出典は林京子「希望」。分量は増加(昨年126行→147行)。理由や信条説明の問題が半数を占め、やや難化か。
大問4 古文
出典は「夜の寝覚」。分量は増加(昨年10行→14行)。知識問題が6→4題と減少。やや難化した印象を受ける。
大問5 漢文
出典は白居易「白氏文集」。分量は微減(昨年10行→9行)。
まず分量が増えています。全体で昨年259行から今年度291行となっています。現代文では1行が最大で32文字であるため、多く見積もって928字増えています。読む速度が遅いとかなり難化したように思われると考えます。また設問においても理由を判断させる問題が多く、単なる言い換え問題より難易度が高いように思われます。実際に昨年度の点数と比べてみると、
令和5年9月 素点72点 標準化点53.99点
令和6年9月 素点71点 標準化点58.37点
というように素点が低いにもかかわらず標準化点が高くなります。すなわち、平均点が高くなっているということです。
急な難化は共通テストの難化に影響を受けていると考えられます。今後の難易度を予測するのに、共通テストの動向に注視することも必要かもしれません。
文系数学
大問1 小問集合
昨年の6題から7題へ増加。⑴対称式、⑵箱ひげ図、⑷整式の計算、⑸三角比・図形と計量は変わらず。⑶は2進数が図形(方べきの定理)に、⑹数列が指数の計算に、⑺に対数の計算が追加。その代わりに指数・対数の計算が大問から除外。
大問2 二次関数
昨年とほぼ同じ。
大問3 場合の数と確率
最後の小問が整数の知識を必要とし、やや難しいか。
大問4 円と方程式
例年通り。
大問5 三角関数
例年通り。
大問6 微分・積分
例年通り。
大問7(選択) 数列
教科書並みの難易度。選択するべき。
大問8(選択) 統計的な推測
今年度が初出。4月試験に比べると難易度が高いように思われる。
大問9(選択) ベクトル
教科書並みの難易度。選択するべき。
新課程1年目なので今後の対策の指標になるテストでした。
大きな変更点は指数・対数の大問が無くなったことと、大問7~9が選択問題となり(3題中2題選択)、統計的な推測が出題されることです。
従来の課程の試験では数列とベクトルが1年おきに大問で出題されていました。同様に、三角関数と指数・対数関数が隔年で大問出題されるようなこともあるかと思います。とはいえ、数列・ベクトルを選択する前提であれば今年度のテストは過去問対策で十分対応することができたと思います。昨年よりも平均点は低くなっているように思えます。
〈総評〉
国語の長文化が特に顕著で、日ごろの学習から時間を測って解くということを意識しなければならないと改めて確認させられました。英語の長文では新しめのトピックや、日本語で書かれていたとしても馴染みが薄い長文の出題がありました。どんな文章が出題されても正確に読めるように、単語・文法・文構造の把握を徹底的に身に付けていきましょう。数学は新課程に入り過去問にはない出題がありますが、それでも大部分は過去問演習で事足りる内容でした。過去問に早いうちに取り組めるように、典型問題に対処する基礎力をしっかりと付けていきましょう。繰り返して言いますが、過去問を解いて復習すべき点を抽出したり、その後の演習に活かしたりできるには基礎的な学力の定着が必須です。どこから勉強したらいいかわからない、何がわからないのかもわからないという状態で過去問ばかり解き漁っても得られるものは少ないでしょう。まずは基礎的な学力が身についているか確認し、足りない部分は二学期のうちに身に付けることができるように計画を立てていきましょう。
基礎的な学力の身に付け方や学習の計画の立て方、科目の学習の仕方など、わからないことがありましたらつつじヶ丘個別学習会高校生教室にぜひご相談ください。