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三鷹個別学習会ニュース

夏、何をするべきか(大学受験・理科編)

2017.06.24

前回に引き続き、夏の間にこなしておくべきことをお伝えします。
今日は理科についてです。
現在は理科を選択する際に、大きく分けて3つのパターンがあります。

①基礎科目2科選択
物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎のうち2科を選択するケースです。
センター試験のみで理科を利用する場合、特に文系で理科選択をする人には多いパターンではないでしょうか。
化学基礎および生物基礎を選択する受験生が比較的多いようです。

②1科選択
物理・化学・生物・地学のうち1科を選択するケースです。
私大理系志望者の多くはこの形だと思います。

③2科選択
物理・化学・生物・地学のうち2科を選択するケースです。
国公立理系および私立難関校を受験する際にはこの形になります。
組み合わせとしては「生物・化学選択」「物理・化学選択」が多くを占めています。

参考までに、前回のセンター試験で理科基礎、および理科を受験した延べ人数における各科目の割合を付記しておきます。
元データはこちらから見ることができます→http://www.dnc.ac.jp/data/shiken_jouhou/h29/index.html
※割合は小数第3位で四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。

○理科①:延べ312,877人受験
物理基礎:19,406人(6.20%)
化学基礎:109,795人(35.09%)
生物基礎:136,170人(43.52%)
地学基礎:47,506人(15.18%)

○理科②:延べ444,115人受験
物理:156,719人(35.29%)
化学:209,400人(47.15%)
生物:74,676人(16.81%)
地学:1,660人(0.37%)

 

では、各科目について、優先すべきポイントを説明します。

①総論
まず、どの科目についても言えることがあります。
それは、科目の全体像の把握を優先すべき、ということです。
問題集を解くにせよ参考書を読むにせよ、端から一つ一つ丁寧にこなしたいという気持ちはあるかもしれませんが、目的を違えてはいけません。
受験生の目的は参考書を読破することでも問題集を制覇することでもなく、志望校に合格することです。
問題集、参考書はあくまでもそのための手段――ツールでしかありません。
まずは例題だけでも、基本だけでも構わないので、自分が学習している科目がどのような形をしているのか、それを理解することが大切です。

 

②物理基礎・物理
物理基礎選択者は基礎科目の中では一番低い割合となっています。
基礎の範囲だけでも、物理では数学B「ベクトル」や数学Ⅰ「三角比」の概念を使う問題が多数登場し、また、図形の性質も知識として必要になるケースが多いため、数学に自信がない場合は避けた方が無難、と言って差し支えないでしょう。
逆に、数学をこなせる力がある程度あれば物理基礎という選択はありだと思います。
物理に関しては、工学・建築・物理学などを学びたい受験生にとっては大学での学習の基礎となる科目です。
さて、物理基礎・物理ともに、大きな分野の区分としては「力学」「波動」「電磁気」があります(熱力学は力学に含めて考えます)。
私としてはこの3分野の中では「力学」を優先すべきと考えます。
「波動」のドップラー効果(物理基礎では発展的内容となってます)や「電磁気」の電子の運動(こちらは物理の範囲です)にも力学は関わってきます。
また、物理・化学選択者にとって熱力学は双方にまたがる分野なので、ここを押さえておくことは化学にも役に立ちます。
どこからやればいいか分からない、という人はまずは力学を。

 

③化学基礎・化学
化学基礎および化学が多く選択されるのは、理科選択の多くが「物理・化学」と「生物・化学」で占められていることと無関係ではないでしょう。
実際、私大受験でも国公立受験でも、上記2パターンを理科の選択としている大学は多数を占めます。
化学基礎にしても化学にしても、元素記号・分子式・イオン式・化学反応式がしっかり書けるかどうか、これが重要ポイントでしょう。
また、物質量(mol)の関係する計算ができることが同じレベルで重要になります。
化学選択者は「理論化学」「無機化学」「有機化学」と学習するわけですが、上記の基本ができているならば、「無機」「有機」の学習に入ることができます。
ただ、無機・有機については知識面の強化が主たる学習となるため、様々な数値計算を必要とする理論化学の練習を先にしておいた方が良いと思います。

 

④生物基礎・生物
生物基礎は基礎科目の中では一番人気のようです。
理科の中では知識に依るところが大きいこともあり、文系受験者の選択が多いのではないでしょうか。
また、前述の通り、「生物・化学」を理科の受験科目としているところが多いことも要因として考えられます。
特に農学系・医療系を目指す人は必須と言える科目です。
生物基礎の中でも「遺伝」「免疫」に関わる分野は特にしっかり押さえておきたいところです。
また、生物選択者に気を付けてほしいことは、基礎でしか出てこない分野がある、ということです。
免疫の一部や、生態系に関する分野の一部など、出題頻度が高いわけではありませんが、気を付けておきましょう。

 

⑤地学基礎
※地学については選択者が極端に少ないため割愛させていただきます。
地学基礎は天文、地層、環境に関する事項が主流となります。
時系列的に考えて、地球の誕生から地球内部の活動、古生物の変遷や地質時代の区分と流れを追っていくと良いでしょう。
見方を変えれば、地球(および宇宙)の歴史を学習しているようなイメージが浮かんできます。

 

2017/06/24 副室長 瀬戸

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